町田市と共催で元日本代表監督・岡田武史さんによる『スポーツ地域創生シンポジウム』を開催しました

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町田市とFC町田ゼルビアは20日(金)、元日本代表監督・岡田武史さんによる『スポーツ地域創生シンポジウム』を和光大学ポプリホール鶴川で開催しました。

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本講演は、町田市のスポーツ推進計画の抱える課題や今後のスポーツを活用した地域創生の考え、またスポーツ振興を支えるサポーターやボランティアの協力についてディスカッションを行ったもので、当日は約250人の方が来場。岡田氏の他、FIFA(国際サッカー連盟)コンサルタントの杉原海太氏、石阪丈一町田市長を迎え、朝日新聞編集員の潮智史氏の司会進行で行われました。

ここでは書ききれない面白いアイデアや裏話が続出し、来場者は驚きとうなずきの連続。本当に、スポーツがもたらす様々な利点や、それに向けた課題、世界の例などが紹介された中、パネリストの方々が強調されていたのは、次の2点です。

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1つは『スポーツには、地域を活性化する力がある』ということ。岡田氏は、今年からJFLに参戦するFC今治のオーナーでもあり、この観点から「今治市は16万人くらいの小さな町ですが、この8月に5000人規模のスタジアムが完成します。JFLに昇格して、こんなに皆さんに喜んでもらえるとは思いませんでした。街で会ったおじさんが、いきなり100万円を出して『使ってくれと』と。世界4位の造船会社もスポンサーとして名乗りを挙げてくれた」と街中にサッカーを通したコミニュティーが増えている点を話されました。

そして、町田市について「人口は43万人で、周辺の交流人口は数百万人あると聞いています。町田には可能性があります。今治と比べたら羨ましい。やり方次第で、スポーツは社会アジェンダを解決することができます。そして、スポーツは絆ができる」などと話され、スポーツ、サッカーを通した街づくりの可能性について期待をいただきました。

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石阪市長は「『スポーツで人と街が一つになる』というスローガンを作り、スポーツを『する』『観る』『支える』というのを(政策として)やってきました。それでも、町田市の小学生の体力は東京都で最下位に近い。東京都は都道府県単位で最下位。ということは、町田市は全国の最下位に近いということ」と現状を明かし、「改善には、する環境が必要なんです。子どもの健康維持、大人の健康維持にスポーツが必要で、その環境整備を役所も頑張らなければいけないと思っている」と、子どもたちの未来のためにもスポーツの重要性を強調。スポーツ環境を整備→誰でもスポーツを楽しめる→市民の健康が改善→地域活性化—という流れを作ることの重要性を説明されました。

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杉原氏は、世界中のサッカークラブを訪問し、コンサルティングされている立場から「アジア、ヨーロッパー、中米に行きますが、サッカーの凄さを感じます。オセアニアの小さな国でもサッカーが普及していて、どこに行っても地域に溶け込んでいます」と説明し、「スポーツビジネスにおいて、もっともっと、その地域の特性を活かしてお金を稼ぐことを考えることが必要です。FC今治は一番ユニークな形をされている。今、海外から今治に人が来ている。海外も含めて周りの人を巻き込むのは素晴らしいこと。そうすれば地域が盛り上がっていくんです」とスポーツビジネスによって街が活性化される点を強調されました。

さらにパネリストの方々から強調されていたのは、地域・経済の活性化の拠点として、経済産業省が国策として、スタジアムやアリーナなどの競技施設を活用しようと決めたことです。杉原氏は「スタジアムで稼ぎ方をいろいろと考える。アイデア次第で、スタジアムは、お金を生むことができるんです。アメリカやヨーロッパでは、スタジアムでお金を稼ぐことは一般化しています」。スタジアム建築は、どうしてもコスト面ばかりに焦点が当たりますが、アイデア次第で、有形無形のプロフィット=利益が出てくるということです。

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岡田氏も「政府はスポーツを成長産業にしようとしています。スタジアムやアリーナを“コストセンター”から“プロフィットセンター”にしようとしていて、いろんな話をする中で、そのモデルの一つにFC今治が選ばれました。各省庁の方が集まる協議会ができて、どういう形でスタジアムを作るか、となっているんです」と、スタジアムを核とした街づくり、ビジネスモデルの構築を強調。「僕は今後、1万5千人の複合型のスタジアムを考えています。まだ、妄想ではありますが、1階にダンス教室、2階にトレーニングセンター、3階にデータセンター、4階に大学医学部の診療所とホテル。ここにトップアスリートが年1回でも来て、病院でチェックを受けて、トレーニングをして帰る。ランニングしたり、自転車に乗ったりして、最後に温泉に入って帰る。それで人が集まり、それで街が活性化される。サッカーのためだけじゃないんです」とアイデアの一つを紹介されました。

ゼルビアにおいては今後、J1基準のスタジアムを確保することが課題の一つです。石阪市長は「何と言ってもJ1です。昨年、J1のプレーオフに出そうになりました。ですから、予算は厳しいですが、器を早く用意してあげないといけないと思っています。せっかくJ2になったので、J1を目指してほしい。それが希望です」と早期増築が優先課題としつつも、「別途の付加価値をもたらしたものを作り、それで来てもらう。複合的な野津田スタジアム。野津田公園にありますから、公園の中に違う機能を持ち込むのはありだと思います」と将来のビジョンも明かされました。

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シンポジウムの最後は、質疑応答もあり、参加者の方から積極的な意見や質問がありました。会場内にはスポーツに関心の高い方が多く、非常に有意義な時間となりました。閉会後にも皆様から「面白い話が聞けた」「楽しい時間だった」などの声が聞かれました。

ゼルビアとしましては、今回のシンポジウムで勉強したことを活かし、今後も町田市と連携して、課題解決に努めていきたいと思います。改めまして、岡田氏をはじめとしたパネリストの皆様、石阪市長、参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

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